効果と展開

改善前後の写真の残し方|同じ位置で撮る

公開 2026-08-30 執筆 改善板 編集部

改善した場所の写真は、説明の道具としていちばん強いものです。文章で3行かかることが、2枚並べるだけで伝わります。

ただ、あとで比べようとすると「前」の写真が無い、あっても角度が違って比べられない、ということがよくあります。この記事では、改善前後の写真の残し方を、撮る位置の固定、撮るタイミング、台帳への残し方の順にまとめます。

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この記事の内容(8項目)

改善前後の写真は、同じ位置で撮る

比べられる写真になるかどうかは、撮る位置がそろっているかだけで決まります。

比べられない写真

前は正面から、後は斜めから。
前は近く、後は遠く。
前は昼、後は夜。
何が変わったのか分からない。

比べられる写真

同じ位置、同じ高さ、同じ画角。
同じ明るさ。
周りの目印が両方に写っている。
差が一目で分かる。

位置を決めるコツ

床に印を付けるのがいちばん確実ですが、そこまでしなくても周りの構造物が写り込む画角にしておけば、あとから同じ位置に立てます。柱、棚の端、通路の線などが目印になります。

撮った位置を記録する

「棚Aの正面、通路側から、高さ150cm」と1行書いておくと、数か月後でも同じ位置に立てます。撮影者が替わっても同じ写真が撮れます。

広い写真と寄りの写真を両方撮る

寄りの写真だけだと、どこの場所か分かりません。全体が分かる写真と、変わった部分の寄りを1組にすると、あとから見て場所が特定できます。

「前」を撮り忘れないために

いちばん多い失敗は、改善したあとで「前の写真を撮っておけばよかった」となることです。改善は思い立った日に始まるので、撮る機会は一瞬しかありません。

撮るタイミング撮るもの
改善の案が出た日いまの状態。まだ何も変えていないところ
作業を始める直前手を付ける直前の状態
作業中途中経過。どう変えたかの説明に使える
完了した日変わった状態。前と同じ位置から
1か月後・3か月後維持できているか

提案の時点で撮ってもらう

改善提案を出すときに、困っている場所の写真を1枚添えてもらうと、それが自動的に「前」の写真になります。文章が苦手な人でも写真は撮れるので、提案の出しやすさも上がります。提案制度の回し方は改善提案制度の回し方で扱っています。

迷ったら撮る

写真を撮るコストはほぼゼロです。使うかどうかは後で決めればよいので、変えるかもしれない場所は先に撮っておきます。撮らなかった写真は、二度と撮れません。

3か月後の写真がいちばん役に立つ

完了直後はきれいでも、数か月後に元に戻っていることがあります。時間をおいた写真があると、定着しているかどうかが分かります。定着の見方は対策の定着にまとめました。

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写真に添える情報

写真だけがフォルダにたまると、何の写真か分からなくなります。台帳に1行書くだけで、あとから使えます。

項目書く内容
管理番号提案や案件とつなぐ
場所工程名、設備名、棚の番号など
撮影日・撮影者いつ、誰が
撮影位置どこから、どの高さで
区分前/作業中/後/経過
何を変えたか1行で。写真では分からない意図
ファイル名管理番号を入れておくと引ける

ファイル名に管理番号を入れる

カメラが付ける連番のままだと、あとから探せません。「K-014_前_棚A.jpg」のように、番号と区分を入れるだけで引けるようになります。

「何を変えたか」を1行書く

写真を見ても、意図までは分かりません。「工具を掛ける位置を作業台の手元に移した」と1行あると、他の工程でも同じことができないかを考えられます。

撮影位置を書くのを忘れない

「後」の写真を撮るときに、「前」の撮影位置が分からないと、同じ角度で撮れません。撮影位置は、撮ったその場で書くのが確実です。

写真の使い道

撮った写真は、複数の場面で使えます。1度撮れば、何度も使えるのが写真の利点です。

使い道使い方
提案の掲示採用された提案を前後で掲示する。他の人が形を真似る
年度の報告改善実績の報告に載せる。文章より伝わる
教育の資料新しく入る人に、なぜこの形なのかを説明する
水平展開の説明他工程に「こういう形にしませんか」と示す
定着の確認いまの状態と見比べる

掲示がいちばん効く

前後の写真を並べて掲示すると、説明しなくても改善の中身が伝わります。提案した人の名前を添えると、次の提案が出やすくなります。

水平展開の説明に使う

他の部署に「同じようにしませんか」と伝えるとき、写真があると話が早く進みます。言葉で説明すると10分かかることが、写真なら1分で伝わります。展開の進め方は水平展開の進め方で扱っています。

教育で「なぜこの形か」を伝える

いまの形しか知らない人には、なぜそうなっているかが分かりません。前の状態を見せると、元に戻すことの意味が伝わります。これも定着に効きます。

撮るときの注意

職場での撮影には、写ってはいけないものがあります。撮る前に確認する項目を決めておきます。

写り込みに注意するもの対応
人の顔写らない角度にする。写ったら本人に確認する
客先の図面・仕様書裏返すか、その場から外す
他社の製品・部品写り込まない画角にする
個人の持ち物片付けてから撮る
取引先名が分かる表示外部に出す写真では加工する

外部に出す写真は、もう一度確認する

社内での掲示と、客先や外部への提出では、確認の基準が変わります。外に出すときは、撮った人以外がもう一度見るという運用にすると、見落としが減ります。

人が写るときは目的を伝える

作業の様子を撮る必要がある場合は、何に使うかを本人に伝えてから撮ります。あとから「勝手に撮られた」という話になると、次から撮れなくなります。

撮影が禁止されている場所もある

客先の工場や、機密のある工程では撮影が禁止されていることがあります。訪問先で撮るときは、事前に確認します。禁止されている場合は、スケッチと寸法のメモで代替します。

保管のしかた

写真は増え続けます。探せない写真は、無いのと同じです。

やること理由
年ごとのフォルダに分ける件数が増えても、期間で絞れる
ファイル名に管理番号を入れる台帳から引ける
台帳に保管場所を書くフォルダが変わっても追える
解像度を落として保存する容量が減り、共有しやすくなる
共有の場所に置く個人のパソコンだと、異動で消える

個人の端末に置かない

撮影した人のスマートフォンやパソコンにだけある写真は、その人が異動した時点で失われます。撮ったらその日のうちに共有の場所へ移す、という決め方にします。

解像度は落としてよい

掲示や報告に使う写真は、高解像度である必要がありません。横1200px程度に落とすと、容量が10分の1以下になり、共有も速くなります。細かい傷を見せる写真だけ、元のまま残します。

台帳から引ける状態にする

フォルダの整理より、台帳にファイル名か保管場所が書いてあることのほうが大事です。台帳を見れば場所が分かるなら、フォルダの構造は多少乱れていても探せます。

改善前後の写真でつまずきやすい3つ

その1:前の写真が無い

いちばん多い失敗です。改善の案が出た時点で撮るという習慣にすると防げます。提案用紙に写真を添えてもらう形にしておくと、自動的に残ります。

その2:角度が違って比べられない

「前」と「後」で立ち位置が違うと、何が変わったのか分かりません。撮影位置を1行書いておくだけで、同じ位置から撮れます。周りの構造物が写る画角にしておくのも有効です。

その3:撮ったが台帳に登録されない

撮影と登録が別の作業になっていると、撮っただけで終わります。撮った日のうちに1行書くと決めておくのが確実です。あとでまとめて登録しようとすると、どの写真がどこの場所だったか分からなくなります。撮影位置は、とくに記憶から消えやすい情報です。

その4:撮ったが使われない

フォルダにたまるだけで、掲示にも報告にも使われていない状態です。掲示する場所を決めておくと、撮る意味が生まれます。月に1回、その月の改善を1枚貼るだけでも続きます。

写真は改善の証拠になる 改善実績の報告や、客先への説明で、写真は文章より強く働きます。年度末にまとめて探すと時間がかかるので、案件ごとに台帳へ紐づけておくと、そのまま報告に使えます。まとめ方は改善実績の報告で扱っています。
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よくある質問

Q. スマートフォンで撮ってもよいですか?
問題ありません。画質は十分です。大事なのはカメラの性能より、同じ位置から撮ること、その日のうちに共有の場所へ移すこと、台帳に1行書くことの3つです。
Q. 改善前の写真を撮り忘れました。どうすればよいですか?
似た状態の別の場所を撮る、同じ工程の他のラインを撮るという代替はありますが、正確な比較にはなりません。次からは、改善の案が出た時点で撮る習慣にしてください。提案用紙に写真を添えてもらう形にすると、自動的に残ります。
Q. 前後の写真を同じ位置から撮るコツはありますか?
床に印を付けるのがいちばん確実です。そこまでしなくても、柱や棚の端など周りの構造物が写り込む画角にしておけば、あとから同じ位置に立てます。撮影位置を「棚Aの正面、通路側から、高さ150cm」と1行書いておくとさらに確実です。
Q. 写真は何枚くらい撮ればよいですか?
全体が分かる写真と、変わった部分の寄りを1組にしてください。寄りだけだとどこの場所か分かりません。撮るコストはほぼゼロなので、迷ったら撮っておくほうが後悔しません。
Q. 完了後にもう一度撮る必要はありますか?
1か月後と3か月後に撮ると、定着しているかが分かります。完了直後はきれいでも、数か月後に元に戻っていることがあります。時間をおいた写真があると、その変化に気づけます。
Q. 写真に人が写ってもよいですか?
何に使うかを本人に伝えてから撮ってください。あとから「勝手に撮られた」という話になると、次から撮れなくなります。可能なら、人が写らない角度にするほうが扱いが楽です。
Q. 写真はどこに保管すればよいですか?
共有の場所です。撮影した人の端末にだけある写真は、その人が異動した時点で失われます。撮ったらその日のうちに共有の場所へ移し、台帳にファイル名か保管場所を書いてください。
Q. 解像度は高いほうがよいですか?
掲示や報告に使う写真は、横1200px程度で十分です。容量が10分の1以下になり、共有も速くなります。細かい傷を見せる写真だけ、元の解像度で残してください。
Q. 台帳には何を書けばよいですか?
管理番号、場所、撮影日と撮影者、撮影位置、区分(前・作業中・後・経過)、何を変えたか、ファイル名です。とくに撮影位置と「何を変えたか」は、写真だけでは分からない情報なので、その日のうちに書いてください。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-08-30時点のものです。