対策と期限

系統図とは?目的から手段へ下ろして、実行できる形にする

公開 2026-09-08更新 2026-09-22 執筆 改善板 編集部

系統図は、1つの目的を左に置いて、それを実現する手段を右へ枝分かれさせていく図です。新QC七つ道具の1つで、木が横に倒れたような形になります。

形は単純ですが、実務でつまずくのはいつも同じところです。枝の末端が、そのままでは実行できない言葉で止まる。この記事では、目的の決め方から、末端が実行できる粒度かどうかの見方までまとめます。

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この記事の内容(8項目)

系統図は「やることの一覧」を作る図

系統図の役目は、抽象的な目的を、手を動かせる作業まで下ろすことです。

「不良を半分にする」という目標は、そのままでは誰も動けません。何をすればよいか決まっていないからです。系統図は、この間を段階的に埋めていきます。

系統図の下ろし方
目的不良を半分にする
手段キズを減らす
手段搬送時の接触を無くす
手段仕切りを入れる
右へ行くほど具体になる。右端が「明日からできること」になっていれば成功

「どうやって」で右へ、「なぜ」で左へ

下ろすときは、左の項目に対して「どうやって」と聞きます。出てきた答えが右の枝です。

確かめるときは逆に、右から左へ「なぜそれをやるのか」と読みます。答えが左の項目になっていれば、つながっています。ここで話が飛んでいたら、間に1段足りません。

系統図には2つの型がある

使う場面によって、2つの型を使い分けます。

方策を展開する型

目的から手段へ下ろす
やることを出すときに使う
対策の検討はこちら。

構成要素を分ける型

全体を部分に分けていく
もれなく分けたいときに使う
点検項目の洗い出しなど。

改善の場面でよく使うのは、方策を展開する型です。構成要素を分ける型は、設備を部位に分けて点検項目を作るといった使い方に向きます。

やりたいこと使う型
対策の案を出したい方策を展開する型
点検の抜けを無くしたい構成要素を分ける型
目標を現場の行動に下ろしたい方策を展開する型
作業を手順に分けたい構成要素を分ける型

2つを混ぜない

1枚の図の中で、途中から分け方が変わることがあります。ある段までは手段、その先は部位になっているという形です。読む人が迷うので、型を先に決めて最後までそろえます。

末端が実行できる粒度かを見る

系統図でいちばん多い失敗は、右端が実行できない言葉で止まることです。

末端の言葉実行できるか直し方
意識を高めるできない。誰が何をするか不明何を見て何をするかまで下ろす
管理を徹底するできない。徹底の中身が無い頻度と記録の形を決める
朝礼で前日の不良を読み上げるできる。誰がいつ何をするか分かるそのまま担当と開始日を書く

見分け方は1つです。その言葉を読んで、明日の朝に何をするかが決まるか。決まらなければ、もう1段右へ下ろします。

「徹底する」「強化する」「意識する」の3つが末端に出てきたら、まだ下りていない合図です。この3語を禁止して書くと、自然に1段深くなります。

末端に担当と期限を書く

末端まで下りたら、そのまま担当と開始日、期限を書き足します。ここまで書けば、系統図がそのままやることの一覧になります。別に計画表を作り直す必要がありません。

段の数は3段から4段

2段で止まると抽象的なままになり、5段を超えると図が横に伸びて読めません。3段から4段で末端が実行できる形になるのが、ちょうどよい深さです。

全部はやらない。選ぶ基準を決める

系統図を書くと、末端が20も30も出てきます。全部を同時にやることはできません。選ぶ基準を決めてから絞ります。

  • 効き目|目的にどれくらい近づくか
  • 手間|どれくらいの時間と費用がかかるか
  • すぐ始められるか|承認や購入が要らないもの
  • 戻せるか|うまくいかなかったときに元に戻せるか

この4つで見ると、効き目が中くらいでも、すぐ始められて戻せるものが最初の一手になりやすくなります。大きな投資は、小さい手で効果を確かめてからにします。

選ばなかった枝も残す

やらないと決めた枝は、消さずに残して「今回はやらない」と1行書きます。次に同じ目的で集まったときに、検討済みかどうかが分かります。

比較して選んだ経緯は、対策案の選び方と同じ形で残しておくと、後から説明できます。

選んだ枝を計画に移す

選んだ末端が5つ以上あって前後関係があるなら、アローダイアグラムに移して日程を組みます。3つ以下なら、系統図に期限を書くだけで足ります。

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書くときの進め方

系統図は1人でも書けますが、枝の数は人数で決まります。3人か4人で書くと、1人では出ない手段が出てきます。

30分で書く段取り
5分目的を1行に決める
15分付箋で手段を出す
10分段に並べて確かめる
最初から木の形に書こうとすると手が止まる。出してから並べる

付箋で出してから並べる

いきなり紙に木を描こうとすると、段の深さを気にして手が止まります。先に付箋で手段を出して、後から段に並べます。並べる段階で、足りない段が見えてきます。

同じ段の粒度をそろえる

1つの段に、大きい手段と細かい手段が混ざると読みにくくなります。横に並んだものが同じくらいの大きさかを確かめます。1つだけ細かいものがあれば、1段右へ移します。

目的は1つだけ書く

左端に2つの目的を並べると、枝がどちらのものか分からなくなります。目的が2つあるなら、図を2枚に分けます。手段が重なっても構いません。重なったところは、優先して取り組む理由になります。

系統図が向かない場面

次の3つの場面では、系統図を書いても前に進みません。

場面なぜ向かないか代わりに使うもの
原因がまだ分かっていない手段を出しても的が外れる特性要因図で候補を広げる
やることがすでに1つに決まっている展開する意味が無いそのまま計画表へ
意見がばらばらでまとまらない目的が1行に決まらないと書き出せない親和図法で論点をまとめる

原因の把握が先

不具合の対策で系統図を使うなら、原因が分かった後です。原因が分からないまま手段を並べると、効かない対策の一覧ができます。順番を守るほうが、結局は早く着きます。

目的が決まらないときは、先にまとめる

関係者の意見がばらばらで、目的が1行にならないことがあります。その場合は、先に意見をまとめる作業が要ります。まとまってから系統図という順番にします。

社内で回すための3つの決めごと

系統図を使い続けるために決めることは、3つです。

  • 末端の基準|「明日の朝に何をするかが決まるか」。徹底・強化・意識の3語を末端に置かない
  • 選ぶ基準|効き目・手間・すぐ始められるか・戻せるか。この4つで絞る
  • 残し方|選ばなかった枝も残して「今回はやらない」と1行書く

この3つを紙の隅に印刷しておくと、書く人が代わっても同じ深さまで下ります。

書いた図を、後から答え合わせする

3か月後に図を出して、選んだ枝が実際にやられたか、効いたかを見ます。やられていなければ、粒度が粗かったか、担当が決まっていなかったかのどちらかです。

目的の1行を、そのまま報告に使う

左端に置いた目的の1行は、報告のときの見出しにそのまま使えます。目的・やったこと・結果の3つがそろった報告は、系統図から自動で作れます。別に資料を作らずに済みます。

よくある質問

Q. 系統図とロジックツリーは違うものですか。
考え方はほぼ同じです。新QC七つ道具では系統図と呼び、経営や企画の分野ではロジックツリーと呼ばれることが多い、という違いです。目的から手段へ下ろす点は共通です。
Q. 2つの型はどう使い分けますか。
対策の案を出すなら方策を展開する型、点検項目のようにもれなく分けたいなら構成要素を分ける型です。1枚の中で型を混ぜないようにします。
Q. 何段まで下ろしますか。
3段から4段が目安です。末端を読んで、明日の朝に何をするかが決まるかで判断します。決まらなければもう1段下ろします。
Q. 末端が「徹底する」になってしまいます。
まだ下りていない合図です。徹底・強化・意識の3語を禁止して書くと、自然に1段深くなります。頻度と記録の形まで決めると実行できる形になります。
Q. 出てきた末端を全部やる必要がありますか。
ありません。効き目・手間・すぐ始められるか・戻せるかの4つで絞ります。効き目が中くらいでも、すぐ始められて戻せるものが最初の一手になりやすい形です。
Q. やらないと決めた枝は消しますか。
消しません。「今回はやらない」と1行書いて残します。次に同じ目的で集まったときに、検討済みかどうかが分かります。
Q. 1人で書いてもよいですか。
書けますが、枝の数は人数で決まります。3人か4人で書くと、1人では出ない手段が出てきます。付箋で出してから並べると進みます。
Q. 目的が2つあります。
図を2枚に分けます。左端に2つ並べると、枝がどちらのものか分からなくなります。手段が重なった場合、そこは優先して取り組む理由になります。
Q. 対策の日程はどう作りますか。
選んだ末端が5つ以上あって前後関係があるなら、アローダイアグラムに移します。3つ以下なら系統図に期限を書くだけで足ります。
Q. 同じ段の粒度がそろいません。
横に並んだものが同じくらいの大きさかを確かめます。1つだけ細かいものがあれば、1段右へ移します。そろっていないと読みにくくなります。
Q. 付箋を使う意味はありますか。
あります。いきなり木を描こうとすると、段の深さを気にして手が止まります。先に付箋で出して、後から段に並べると、足りない段が見えてきます。
Q. 書いた図は後でどう使いますか。
3か月後に出して、選んだ枝が実際にやられたか、効いたかを見ます。やられていなければ、粒度が粗かったか担当が決まっていなかったかです。
Q. 報告の資料は別に作りますか。
作らずに済みます。左端の目的の1行が、そのまま報告の見出しになります。目的・やったこと・結果の3つが系統図からそろいます。
Q. 系統図は何人で書きますか。
3人か4人が目安です。枝の数は人数で決まります。1人だと、その人の知っている手段しか出てきません。
Q. 目的はどう決めますか。
1行で書ける形にします。「不良を半分にする」のように、達したかどうかが後から言い切れる書き方にします。決まらないうちは枝を出しても的が外れます。
Q. 「なぜ」で読み返すのはなぜですか。
右から左へ「なぜそれをやるのか」と読むと、つながりが切れている段が見つかります。答えが左の項目にならなければ、間に1段足りません。
Q. 点検項目を作るのにも使えますか。
使えます。その場合は構成要素を分ける型です。設備を部位に分けていくと、見る場所のもれが減ります。方策を展開する型とは混ぜません。
Q. 選んだ枝はどこに書きますか。
末端にそのまま担当と開始日、期限を書き足します。ここまで書けば、系統図がやることの一覧になり、計画表を別に作らずに済みます。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-09-22時点のものです。